
2025年 路線価と成約事例から見る長岡京市・向日市・大山崎町の地価動向
2025年の公示地価・路線価および直近の成約動向をもとに、長岡京市・向日市・大山崎町(乙訓エリア)の地価をわかりやすく整理しました。本文の「坪単価」は原則として土地の坪単価です。駅距離・接道・形状・用途地域・再開発の進捗でレンジが上下するため、エリア別の“現実的な目安”としてお役立てください。
1. 2025年の全体傾向(住宅地・商業地)
乙訓エリアの住宅地は小幅上昇〜横ばい、商業地は駅前や主要導線で底堅く強含み。住宅地の市町平均イメージは、
長岡京市=約65〜70万円/坪、向日市=約65〜70万円/坪、大山崎町=約50万円/坪前後。
駅近・角地・整形・幹線近接・用途地域の利点が重なるほど平均を上回り、逆条件では平均を下回る形でレンジが広がります。
2. 長岡京市の動向(開田・神足=駅近コア)
開田・神足(JR長岡京〜阪急長岡天神)は市内の牽引エリア。
駅徒歩圏の土地坪単価は概ね90〜110万円/坪が目安で、立地・形状・道路付けが良い区画は100〜120万円/坪台まで上振れも。
同じ市内でも駅距離や形状の影響で70〜90万円/坪のボリューム帯、郊外寄りは50〜65万円/坪に収れんする事例が多いです。
新築分譲は建築コストが下支えするため、「土地の質×建物グレード」で総額が大きく変わります。築浅中古は駅近・学区良好条件で動きが速い傾向。
3. 向日市の動向(東向日・寺戸・物集女)
向日市は東向日駅周辺の活性が続き、住宅地坪単価のコア帯は65〜75万円/坪。
寺戸・物集女など駅徒歩圏の良地では80〜100万円/坪が視野に入り、角地・前面道路良好などで上振れ。
駅距離が出ると50〜65万円/坪へ落ち着きやすい構造です。
市の再整備・道路拡幅の進捗に連動して、商業近接区の評価が下支えされています。
4. 大山崎町の動向(山崎・大山崎駅周辺)
大山崎町は住宅地平均で約50万円/坪前後。
山崎駅・大山崎駅 徒歩圏はおおむね50〜55万円/坪がボリューム帯。
歴史的景観・観光資源(山崎蒸溜所等)やリノベ需要の増加がじわりと評価を押し上げており、小ぶりな整形地は相対的に動きが早い傾向です。
5. 洛西口駅周辺の再開発と波及効果
阪急洛西口駅では、駅西地区の土地区画整理(約8.2ha)、高架下の複合施設TauT洛西口の継続展開、向日ノースゲートウェイなど複数計画が進行。
道路・公園・区画の再整備と商業導入により、駅周辺の歩行者回遊性・景観・生活利便が向上し、向日市〜長岡京市の市境側にまで需要の波及が見込まれます。
地価面では、駅徒歩圏の整形区画や角地、低層住居ながら接道の良い宅地が先に反応しやすい一方、準工や幹線沿いは用途・騒音の影響で二極化しやすい点に注意が必要です。
売却側は「再開発の説明」を資料化、購入側は「夜間の動線と音環境」を要実見。
6. 成約事例で読む“動く価格帯”と決まりやすい条件
短期で決まるのは、駅徒歩×道路付け×整形×学区×生活利便の総合点が高い土地・戸建。
価格レンジは各市の“駅近コア”の中〜上限に寄るケースが多く、接道や形状に調整要因がある場合は一段レンジを下げて需給が合致。
築浅中古は、新築との価格差とローン負担のバランスで意思決定が速い傾向にあります。
| エリア | 事例の傾向 | コメント |
|---|---|---|
| 長岡京市(開田・神足) | 駅徒歩10分内・整形地は90〜110万円/坪、好条件は100〜120万円/坪台 | 二路線×生活利便の強み。学区志向が強く、築浅中古は動きが速い。 |
| 向日市(東向日・寺戸・物集女) | 駅近良地で80〜100万円/坪、基礎帯は65〜75万円/坪 | 駅前整備で回遊性が改善。角地・前面道路良好は評価が乗りやすい。 |
| 大山崎町(山崎・大山崎駅周辺) | 50〜55万円/坪がボリューム帯、小ぶり整形地が動きやすい | 景観・歴史資源と利便のバランスでニーズが安定。 |
7. 2025〜26年の見通しと売買判断のポイント
金利が急騰しない前提では、駅近・人気学区・再開発周辺は底堅く推移。
売却:駅近・整形・角地・南向きなど好条件は早期売出×適正査定で反応良好。再開発・学区・交通の説明資料を整えると成約速度が上がります。
購入:人気レンジは競争が戻りやすいので、資金計画の事前確定と意思決定のスピードが鍵。
チェックリスト:駅距離(分ではなく徒歩動線)/道路幅・前面交通量/形状・高低差/周辺用途・騒音/将来計画(道路・再開発・地区計画)。
8. よくある質問(Q&A)
- Q. 坪単価の表記は土地だけ? 建物込みは?
- A. 本記事の坪単価は土地のみです。建物込みで表す場合は「建物込坪単価」と明記するのが原則です。
- Q. 路線価と実勢価格、どちらを見るべき?
- A. 双方を見ます。路線価は相続税評価の基礎、実勢は実需の現在地。標準地(公示地価)・成約事例と併せて総合判断します。
- Q. 三市で今後の伸びが期待できるのは?
- A. 駅近+再開発の接点がある区画(例:洛西口〜東向日の導線、長岡京の駅近整形地)は相対的に優位です。
9. まとめ
2025年の長岡京市・向日市・大山崎町は、駅近と再開発周辺が市町平均を牽引。
長岡京市(開田・神足)=90〜110万円/坪(好条件は100〜120万円/坪台)、向日市駅近=80〜100万円/坪、大山崎駅近=50〜55万円/坪が現実的レンジです。
売却・購入ともに、最新データと個別条件の突き合わせで答えが変わるため、ピンポイントの相場確認と現地確認が成功のカギです。
※数値は最新動向からの目安レンジです。実査定は個別要因(用途地域・建蔽率/容積率・形状・接道・高低差・私道負担・インフラ・騒音・越境等)により変動します。
