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不動産売却時の税金を知っていますか?売却の際に掛かる税金を解説

税金・相続

谷口 正史

筆者 谷口 正史

不動産キャリア18年

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不動産を売却する際には、さまざまな税金が発生します。このような税金についての基礎知識を持っていることは、売却をスムーズに進めるために非常に重要です。この記事では、不動産売却時にかかる主な税金について簡潔にご紹介します。税金の仕組みを知ることで、適切な対応ができるように解説します。

不動産売却時に掛かる「譲渡所得税」とは?

不動産を売却した際、利益が出た場合に課されるのが「譲渡所得税」です。これは、不動産の売却によって得た利益(=譲渡所得)に対して課税される税金で、売却後の税負担を左右する大きなポイントとなります。

譲渡所得は、以下のように計算されます:


・譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)


・取得費:購入時の代金や仲介手数料、登記費用など

・譲渡費用:売却時にかかった費用(仲介手数料、測量費、解体費など)

このようにして算出された譲渡所得に、譲渡所得税が課されます。

譲渡所得税の中には、復興特別所得税なども含まれます。これは、東日本大震災からの復興財源として、所得税に対して上乗せされる仕組みです。そのため、実際に納める税額は、所得税本体に加えて復興特別所得税を含んだものになります。

不動産の売却を検討している場合、事前に譲渡所得税の概算を把握しておくことで、手取り額の見通しが立てやすくなり、資金計画もスムーズに進められます。

不動産売却において、譲渡所得を算出するためには、取得費や譲渡費用を正確に把握することが重要です。これらの費用を具体的に理解するために、以下の表にまとめました。

項目 内容 注意点
取得費 購入価格、仲介手数料、登記費用など 領収書や契約書を保管
譲渡費用 売却時の仲介手数料、リフォーム費用 詳細な費用内訳が必要

次に、具体的な控除制度について詳しく見ていきましょう。

譲渡所得の控除制度

まず、譲渡する不動産の所有期間によって、以下のように譲渡所得に対する税率が変わります。

・短期譲渡所得(所有期間5年以下): 税率39.63%(住民税30.63% 住民税9%)

・長期譲渡所得(所有期間5年超): 税率20.315%(住民税15.315% 住民税5%)

※上記、不動産の所有期間は、実質の所有期間ではなく、売却した年の1月1日で判断されることが注意点です。


そして、譲渡所得が算出された後に重要となるのが、各種の控除制度です。中でも特に注目すべきは、「居住用財産の3,000万円特別控除」です。これは、マイホーム(居住用不動産)を売却した場合に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度で、多くの売主にとって非常に大きな節税効果があります。

ただし、この特別控除を受けるには、以下のようないくつかの要件を満たす必要があります。

・売却した物件が本人の居住用であること

・一定期間内に同様の控除を受けていないこと

・親子や夫婦間など、特別な関係者への売却でないこと など


また、売却する不動産の所有期間が10年を超える場合には、「長期譲渡所得の軽減税率」の適用も検討すべきです。これは、マイホームなどの居住用財産を長期間所有したうえで売却した場合に、通常の税率よりもさらに優遇された税率が適用される制度です。

この制度の大きな特徴は、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分に対して、より低い税率が適用されるという点です。6,000万円を超える部分については通常の税率がかかりますが、それでも全体として大幅に税負担を抑えることができます。

ご自身のケースに当てはめるためにも、下記の表をぜひご参考ください。

項目 内容 主な要件
3,000万円控除制度 譲渡所得から最大3,000万円を控除 ・居住用不動産の売却
・一定の期間内に同制度の利用なし など
長期譲渡所得の軽減税率 所有期間が10年越の不動産に適用 ・居住用不動産の売却
・所有期間10年以上

自らの状況に応じた最適な選択をするためにも、専門家の意見を取り入れながら計画を進めることが大切です。しっかりした知識を持っていることで、予想外の税金負担を避け、納得のいく売却を実現することができます。

税金を抑えるために知っておくべきこと

不動産を売却する際、税金をできるだけ抑えたいと考えるのは当然のことです。では、どのような点に気をつければ、賢く税金を減らすことができるのでしょうか。まずは売却時期の見極めが重要です。不動産の譲渡所得は分離課税であり、売却時期が税額に直接影響することはありません。ただし、長期譲渡所得の軽減税率などの適用を受けるためには、売却時期が要件を満たす必要があります。制度を活用することで、税負担を大きく軽減できる可能性があります。

次に、必要経費の計上です。不動産の売却には様々な経費がかかります。例えば、仲介手数料や登記費用、場合によってはリフォーム費用などがあります。これらの経費は譲渡所得から差し引くことができるため、しっかりと記録し、計上することが大切です。以下の表に、経費として計上できる代表的な項目をまとめました。

項目 内容 注意点
仲介手数料 不動産会社に支払う手数料 契約書を保管
登記費用 名義変更に伴う費用 領収書を保管
リフォーム費用 売却前に実施した修繕費 領収書等を保管

最後に、専門家への相談も欠かせません。税理士や不動産の専門家に相談することで、最新の税制や自分に最適な方法をアドバイスしてもらうことができます。不動産売却は一度きりの大きなイベントですから、しっかりと準備を行い、賢く税金を抑える方法を見つけましょう。

不動産売却における税金手続きの流れ

不動産を売却する際には、税金に関する様々な手続きを正確に進めることが重要です。これを怠ると、後々のトラブルの原因となることもありますので、しっかりと理解しておく必要があります。まず、売却契約が成立した後、どのような手続きが必要になるのかを見ていきましょう。

不動産売却に伴う税金手続きの最初のステップは、必要書類の準備です。これは、税務署に提出するために必要な書類を集めることから始まります。主な書類には、売買契約書、譲渡所得の計算に必要な経費の領収書、登記簿謄本などがあります。これらの書類は、税金の計算や申告に必要な情報を含んでいるため、正確に準備することが重要です。

次に、実際の納税のタイミングについてですが、通常は売却した翌年の確定申告期間に行うことになります。確定申告の期間は毎年2月16日から3月15日までとなっており、この期間内に申告を済ませる必要があります。申告に際しては、譲渡所得が発生する場合は、その計算結果に基づいて所得税および復興特別所得税、住民税を納付します。住民税については、確定申告の情報に基づいてお住まいの市区町村から納税通知書が送付されます。

以下に、税金手続きの流れを簡潔に表でまとめます。

ステップ 内容 主な書類
1. 書類準備 売却に関連する書類を準備 売買契約書、領収書、登記簿謄本
2. 確定申告 翌年の申告期間に税務署へ提出 確定申告書、譲渡所得計算書
3. 納税 所得税や住民税の納付 税務署からの納付書

税金手続きは複雑に感じるかもしれませんが、事前に必要な手順や書類を確認し、計画的に進めることが成功の鍵です。また、不動産売却に関する税務は専門的な知識を要する場合も多いため、税理士などの専門家に相談することも有効です。正確な手続きで、安心して不動産売却を進めましょう。

まとめ

不動産売却時に関わる税金の基本を理解していただけたでしょうか。譲渡所得税や控除制度について知識を深めることで、税金を効果的に抑える方法を見つけることが可能です。さらに、適切な手続きを踏むことで、売却時の負担を軽減できます。専門家と相談しながら、最適な売却プランを立ててみてください。

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